狭小住宅におけるドアの考察
みなさんは、自宅の部屋のドアについて、思い悩んだことはありますか? 私は今までありませんでした。子供の頃住んでいた2階建ての一軒家からはじまり、木造アパート、ハイツ、マンションと、幾度となく住まいは変わりましたが、ドアってすでにそこに備わっているものだったから、無意識に使っていました。
が、注文住宅は違います! あたりまえですが。
こだわっている人は、部屋ごとのテイストに合わせたデザインを取り付けるでしょう。アエラでは、標準でドアの色だけ選べ、オプションでスリガラス付きなどデザインも変更できます。
が、そういう話ではありません。
私が言いたいのは、ドアの開き方の問題なのです。右開きにするか、左開きにするか、内開きにするか、外開きにするか。右開きで内開き?、右開きの外開き??…と考えると、この組み合わせは4パターンありますね。さらに、行きと帰り(入る時と出る時)では、開く向きは逆になります。
間取りによって、使いやすい開きの方向ってありますよね。
他のドアと干渉し合わないか、廊下や隣の部屋に行く導線がスムーズかを考慮しないといけません。
そしてもう一つ。狭小戸建てを作る人にとって、避けられない恐怖。それは……
ドアを開ける方向には、必ずデットスペースができる! ドアの数だけできる!!
(ギャー)
今回は、狭い我が家を快適にするために、ドアの開き方をどう選んだか
というお話です。
まず、設計してもらった間取り図には、ドアの開く方向まで書き込んでありました。これは、設計のセオリーにおいて、不便なく使えるような開き方です。もちろん変更できます。
我が家は1階2階合わせて60平米の狭さなので、デットスペースのできない「引き戸」を、なるべく取り入れたいと思っていました。ところが、耐力壁とか柱など設計上の関係で、引き戸をつけられる場所は2ヶ所。それが洗面所と書斎で、その2つは引き戸にしました。
さて、残りは開き戸となり、どっちに開きにするか、ものすごーく悩んで悩んで決めました。
外から玄関に入る所から、順々に扉をご説明させていただます。
想像力をふくらませてお読みくださいm(__)m
※「内開き」は部屋の内側に開く、「外開き」は部屋の外側向けて開く意味で書いています。
※「右開き」は取ってが左側にあり右方向に開ける、「左開き」は取っ手が右側にあり左方向に開ける
*↓右開きで外開きの例(※妻(仮)の実家のドアです)
*↓左開きで内開きの例
■玄関ドアは、右開きの外開き(取っ手が左側にあり、自分の方向にドアを引く)
■玄関を入ると、玄関ホールの右側がすぐ洗面所で、引き戸にしました(開けっ放しで使う予定)。引き戸を引いた際のドアが、玄関のたたきの壁にくるので、壁と同化するように色は白にしました。
■洗面所を入ると右側がお風呂(透明の折れ戸)、正面が洗面台&洗濯機置き場、左がトイレです。トイレは、廊下からすぐ入れるように右開きの外開きにしました。さらに玄関からトイレドアが丸見えになるので、壁と同化するよう白にしました。
■玄関を入ると正面にリビングのドアがあります。ここは2本ラインのスリガラス入りにしました。右開きの内開きです。ここを外開き(廊下側に開く)にしちゃうと、リビングから洗面所に行く時に、洗面所をドアでふさいでしまうので。
■玄関入った左側に、小さな洋室があります。そこは右開きの外開き。部屋側に開かないようにしたのは、部屋にデッドスペースを作らないためです。
以上が1階です。リビング階段を上って2階へ。
■正面が寝室。右開きの外開きです。部屋側に開かないようにして、デッドスペースをなくしました。
■右手が書斎で、引き戸です。
いったい何を言っているのか伝わりませんね、参考にもならないですね、はいすみません。。
要するに、ドアの開き方についてこんなに考えたのは、人生で初めてだ、ということが言いたかったのです。出来上がったら、簡単に付け替えることはできないから・・。
その前に、建築申請までに決めないといけなくて、やっと決めました。もう変更はできません!多分。でも考えるのは楽しかったです。
こんなことまで決められるのは、注文住宅の醍醐味ですね。